アファンタジアについてその①

まだ日本ではあまり知られていない特性です。
自分自身もこれだとは思っていませんでした。

ただテストをしてみても、過去の経験から思い当たることも多々あり納得したのでこの特性があるからあれが苦手だったんだな、これが得意だったんだな、と分かったので対処の仕方が分かってスッキリしたというのがあります。

アファンタジアとは簡単に言えば、というか…これしか言い表せなくもありますが
頭の中にイメージを思い浮かべることが出来ない
これがアファンタジア(aphantasia)です
物凄く簡単なテストとして

まず最初に頭の中でりんごを思い浮かべてください
その後その横に小さいりんごを思い浮かべてカットして云々…

まず、最初にりんごが頭に浮かびません
りんごってものがどんなものかは知ってます。
ただ画像として、映像として何も浮かばないんです。
目を閉じて思い浮かべようとしてもひたすらに真っ暗なだけです。
昔からこうだったので他の人がどういう風に思い浮かべられているのか全く分かりません。

これが日常だったので気付かなかったってのがありますね。
さすがに親とか肉親の顔くらいは…と思っても全く浮かびません。

頑張って頑張って思い浮かべようとひたすらやっているとあ、なんか浮かびそう…ってところまでは到達出来ました。
ただ全く画像として、映像としては出てきませんでした。
惜しいところまではいけるんですけどねぇ…

ちなみに歴史的な天才がよく持っている才能である写真記憶
これの真逆バージョンです
写真のようにその場面を記憶して頭の中で描ける
様々な事を頭の中だけで構築していける
こういう人はハイパーファンタジアと呼ぶそうです

アファンタジアの記憶方法

これは言語化して覚えている、ということでしたが正にそれです
絵をしばらく見せて覚えてもらってその後に思い出して書く、という実験もあったみたいですが、自分の書き方はモロにアファンタジアの人と同じでした。

◯とか□で場所を示してそこに「ベッド、白」とか「カーペット、赤」とかそういう風に書きます。
画像を覚えて映像として思い浮かべられないので見た絵をそのまま書くという事は無理です。
この言語化して覚えるという点これが結構キモになってくる感じです。

それもあって空間認識や数学であった展開図とかそういうのがもうとにかく無理です。
一番簡単な一問目で躓きました。

まず頭に映像が浮かばないから展開図とか頭の中で何をどうすりゃ良いのやら本当に分からず。
中学時代の数学は8点とか壊滅的な結果でした。

得意科目は現代文、生物、化学、地理
という何とも中途半端な感じでした
歴史系とかは全く覚えられなくてダメでした
同じ記憶系でも地理とか生物、化学だと言語化して記憶できても歴史みたいに純粋に出来事や人物名を記憶しなければならない科目となると頭に入らないのなんの…
自分なりに言語化して記憶するので純粋に言語として記憶するのとは違うって事でしょうね

現代文なんかは1分も勉強しなくても簡単に90点以上取れました。

文章から関連性を見つけたり、作者の考えとかそういうのがスラスラ出てきます。
他の人が色々と考えて書いた文章を読むと、普通の人にとっての脳内にイメージを思い浮かべる、という行為になるからだと思います。
特に文章から関連性やらを見つけ出すのが得意

ひらめき問題やありなしクイズとかテレビでやっていてもほぼ一瞬でわかります。
人によってはめちゃくちゃ利点になるかもしれませんが、物事を伝えることが苦手でもあります。

というのも、これを言ったら、こう書いたら、他の人がどういう風に思い浮かべるかというのが分からないからです。
なので文章やメール、何もかもがひたすら長くなってしまいます。
(このブログに関してもそうです)
自分の脳内で思ったことを伝えるとなると言語化して覚えている事を話そうとする、書こうとすると全部言語化してしまうからだと思います。

そこまで詳しく書かなくても…って内容でも自分にとってはそういう風に覚えていてそういう風にしか伝えられないから長くなります。

ただ、実際に話す時に話がやたら長いとかそういう事はありません
結構要点だけまとめてスラスラっと話せます。

これも映像として思い浮かべながら話すのではなく言語化して覚えている事をそのまま話せるからだと思います。
覚える時にある程度頭の中で要点をまとめて覚えているからだと思います。

アファンタジアとして苦手なこと

・何も見ずに思い浮かべて絵を描く事
まず何も浮かばないから書きようがないです(笑)
だからめっちゃ下手くそです。

程度に差はあれど、絵が下手な人はある程度こういう特性があるんだと思います。
模写はめっちゃ得意なんですけどねぇ…
例えばとかを書こうとすると、普通なら猫を思い浮かべながら書けると思います。
が、出来ません。

どうするかと言うと目がある顔が丸い耳が三角ヒゲがある足が四本尻尾長い
そんな感じで覚えているのでそれらを思いつくまま書いていきます。
結果、モンスターが誕生します

物凄く簡単な絵でも書ける人は凄いなぁ、と思ってしまいます。
にゃんこ大戦争のねこですら思い浮かべて書けないもんで、◯書いて目書いて鼻のところに三角みたいなの書いて耳書いて

・空間認識

数学とかの展開図とかはもちろん本当に無理です
頭の中で色々と組み立てるのがとにかく苦手

空間認識って事で、道を覚えるのもかなり苦手です
ナビを使っていても、100m先を右折ですとか言われても
どれくらい先が100mなのか分からなかったりします
交差点が何個かあると次のなのかその次のなのか…

大体どの辺にあるかとかも空間認識が出来なくて、よく行くお店とかでもちょっと道が変わろうもんなら、もうどこを曲がってどう行けば良いのか分からなくなります

ナビを使う時も何m先とかよりも〇〇交差点を左折、とかそういう情報が無いとほぼ間違います
あとはこれも苦手分野として後で書こうと思っていますが、耳から入ってくる情報を頭の中で処理することがとにかく苦手なので信号待ちとかであらかじめナビを見ておいて曲がる場所の近くの目印を見つけておいて何とかなる感じ…

左にエネオスがあって、その先右側に電気屋が見えてきたらそろそろ左に曲がる、とか
家の近くにあるお店で、週3~4回行くドラッグストアですら毎回意識していないと入り損ねます
ガソリンスタンドを超えて2個目の信号が見えたら減速して左側に入る道がある、という覚え方してます
もう100回以上は使ってる家の近所の道ですらこんなんですから…
壊滅的です

・空間認識その②

空間とは違いますが、時間の感覚とかを把握するのも苦手です
予定から逆算して時間を使う事が出来ません
それで何回予定に遅れたり、逆に30分以上時間を持て余したりしたことか…
大体家を出るまでこれくらいで、家を出てからこれくらいだから〇〇分前に準備したら良い、とかそういう感覚
これもまた壊滅的です

あとは時間の感覚っていう点で言えば時計の問題とか…
あれもめっちゃくちゃ苦手です
10時15分の40分前は何時何分でしょう?
とかそういう問題です

頭に時計が浮かべられたら小学生でも出来るような問題
自分はそれが出来ないので、まず40から15を引いて25
10時から20分前だと9時40分

それの5分前だから9時35分
っていう風にしないと解けません

10時から25分前くらい出来るだろうと思われがちですが
これですら難しいっていう欠陥脳
25に何を足したら60になるか、って考えるか
20を引いてその後に5を引くか…
注意力不足もあるので25に35足したら60になるから…
10時35分だ!

っていう凡ミスも物凄い多いです

なので先に10時から20引いて9時40分でそこから5分前
っていう考え方をしないとこういう間違え方をしてしまう

まぁ普通に出来る人からしたらこいつは何を言っているんだ、という感じに思われそうですが…
こういう脳みその使い方しか出来ないっていう事です

・耳から入ってくる情報を処理する

音に敏感というのもありますがこれは関係あるのかどうか…
さすがにそこまでは分かりません
ただ大きい音や人が怒ったりしている声がとにかく苦手で聞きたくなくてイヤホンしたり耳栓したりしてシャットアウトしてるので脳みそでも耳からの情報はそのまますり抜けていくようになってしまったのかもしれません

先ほどのナビを聞きながら運転とかそういうのはまず無理
毎日ノイズキャンセリングイヤホンでひたすら同じプレイリストの音楽聞いてますけど歌詞とかは本当に覚えてない(笑)

あとは就労移行支援で一番躓いた点もこの特性のせいだったりします
学習内容が
「動画を見ながら勉強をする」
というものだったんです

まず動画を見ても映像として記憶が出来ない
耳からが入ってきても処理出来ない
なので何度見ても何度聞いても理解が出来ない

なんでこんなにも何も覚えられないんだろう、っていうのでとにかく悩んでひたすら頑張ってみまくった結果、頭がパンクして長期休みを取る事になりました

当初はそんな特性だとは思っていなかったので自分なりの対処方法も出来上がっていなかったというのもありますね
作業前にフローチャート作成やToDoリスト的なので考えや流れを目で見て分かる状態にしておくとスムーズに出来る、という対処法を覚えてからは何とか出来るようになりました

ただ動画を見て目と耳で覚えるのは無理なので基本的に書籍頼みです
あるいは検索をして参考になるページなんかをブックマークしていつでも見れるようにしておく

ブログで何か書く時も最初に見出しだけ決めて箇条書きにしてその内容だけを書いていくようにしています
それでもこんな感じに長くなるのですが
本来ならサクっと書いて終わろうと思ったのですがこのままだとダラダラ脱線して書き続けてしまいそうなので改めて、アファンタジアについてその②として書こうと思います

あ、自分もそうなのかも!って思う方もおられるでしょう
あくまでも特性、であって障害ではないので自分なりの対処法等が確立されていれば問題はありません
ただそれに気付くまでに失敗を繰り返して、自己嫌悪に陥って、病む
こうなる可能性が高い特性ではあると思います

生きづらいっちゃ生きづらいですけど普通に思い浮かべられるのがどんなものなのか知らないので悲壮感はありません

こういう人もいるんだな~って心の片隅に覚えてもらえるとありがたいかな、と

コメント

タイトルとURLをコピーしました